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  • peterbaumannia

Pink Floyd  more (1969)


1969 年リリースの「モア」。バルベ・シュローデルの処女監督作のサウンドトラック盤。シド・バレット脱退直後、デイヴ・ギルモアを迎え入れた前作「神秘」で あったが、アルバム最終曲の「 Jugband Blues」はシドの曲であり、ピンク・フロイドがロジャー、リック、ニックそしてデイヴの4人で固定した初めてのアルバムといえる。「The Wall」しか聴いたことのない人には信じられないかも知れないが、ここにはサイケデリックでフォーキーなフロイドの姿がある。 Side one 1 Cirrus Minor -ナイルの歌- [Waters] 5:18 2 The Nile Song -嘆きの歌- [Waters] 3:26 3 Crying Song -アップ・ザ・キーバー- [Waters] 3:33 4 Up the Khyber [Mason, Wright] 2:12 5 Green Is the Colour -グリーン・イズ・ザ・カラー- [Waters] 2:58 6 Cymbaline -シンバライン- [Waters] 4:50 7 Party Sequence -パーティの情景- [Waters, Wright, Gilmour, Mason] 1:07 Side two 1 Main Theme -「モア」の主題- [Waters, Wright, Gilmour, Mason] 5:27 2 Ibiza Bar -イビザ・バー- [Waters, Wright, Gilmour, Mason] 3:19 3 More Blues -「モア」のブルース-[Waters, Wright, Gilmour, Mason] 2:12 4 Quicksilver -クイックシルヴァー- [Waters, Wright, Gilmour, Mason ] 7:13 5 A Spanish Piece -スペイン風小曲- [Gilmour] 1:05 6 Dramatic Theme -感動のテーマ- [Waters, Wright, Gilmour, Mason] 2:15

アルバム全体を通してアコースティックな音づくりがなされており、曲展開もシンプルであり、後の彼らと比べると隔世の感がある。レコーディング自体を8日 で終えたと言われているので、その辺の事情もあったと思われる。しかし、だからといってこのアルバムが駄作ということではない。むしろ私にとっては初期名 作の1枚となっている。「Cirrus Minor」「 Nile Song」「 Cymbaline」「 Crying Song」などは名曲である。ぜひ聴いていただきたい。

それでは映画「モア」の内容はというと、これがまたいいのです。寒々しい街の大学を出たステファンは暖かさと太陽を求める旅に出る。そして途中の街でコケ ティッシュな魅力のある太陽のようなエステルと出会い恋に堕ちる。友人は関わり合うなというがステファンの心は止められない。彼はイビザ島まで彼女を追い かけ、とうとう一緒に暮らすこととなる。島のきれいな風景と海とが二人を穏やかに包んでくれるはずだった。が、エステルこそ、ステファンにとっては死神の ような存在だったのだ。彼女はドラッグ中毒となっており、それを更生させようと頑張るステファンだったが、ドラッグをやめさせようという思いが強すぎて自 分がドラッグを始めてしまい、だんだん二人とも重い症状に悩まされ始める。ミイラ取りがミイラになった瞬間である。特にステファンはドラッグの深みに嵌っ てしまい抜け出せない状況になり、とうとう最期の時がやって来る。というもの。  特にピンク・フロイド・ファンにとってはおいしいことがある。アルバム未収録の曲が数曲映画の中で聴くことができるのだ。'60年代ドラッグ・カル チャーの雰囲気を味わいながら、ピンク・フロイドの音楽も効果的に視聴できるという、いいひとときを味わえる名品といっていいだろう。

「Cymbaline」心に響く牧歌。映画の中ではエステルが部屋のBGMとして選んでいる。

「Cirrus Minor」どこかの森の中をボートで静かに漂っている。そんなことを想像してしまう。リック・ライトのオルガンが印象深い。


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